●2025秋の石垣島釣行

●2025秋の石垣島釣行

台湾との間の海域からもこもこと湧き出す台風を横目に、石垣島空港に着陸。

 

馴染みのガイドHさんといつものリーフを歩む。

沖のダンパーの波が、エメラルド色に鉛の空に立ち上がる。

しかしながら、忘れた頃にそのうねりが岸から戻ってくる。

とてつもない勢いで、沖へ押されて倒れそうになる。

払い出しのカレントの恐ろしさはすさまじい。

いかんいかん。

ここでもし大型の魚が掛かったら、魚か自分か、どっちかを選ばなきゃならないことになる。

 

律儀なマトフエダイがどうにか、お相手してくれた。

このアングラーは、ソマリアの海賊かぁ!?

でも、透明な薄ピンクのヒレに癒されて、この日はこれでおしまい。

 

行く度、お邪魔する居酒屋さんの塩寿司。

石垣の粗塩をイラブチャーの握りにつまんで乗せていただく。

ガリンゴリンと噛み砕くミネラルの旨さと、ねっとりの白身が溶けあう。そこに、泡盛のソーダ割りを流し込む・・・。

やさぐれていた心がリセットされて、もう明日のことしかない。

 

カフェ・ハイタイドで、ランチ後のデザートをいただきながら、

ここの村上康成絵本ギャラリーの来年の原画展示を、考える。

『なつはうみ』(内田鱗太郎・文/偕成社)にしようかな。

居合わせた親子連れのお客さんから、サインを頼まれる。

 

今日はカヤックガイドのAさんと陸路で行けないポイントへ。

 

がしかし、まずもって天気はいうことを聞いてくれない。

なんの修行だろうか。

使い古して劣化していたカッパがしっかりと雨を吸い込む。

フードの中で、なぜだかうれしく、ウフフと笑うのだ。

 

夏の終わりを告げるイワサキゼミの合唱が、小島に震撼している。

最後の力を振り絞ったセミが、砂の上でひっくり返っていた。

 

あきらめかけていた釣行4日目、投げたフライに気も入らず、放置していたら、

突然、ガツン!とひったくっていったダツ。

「しょうがねえなあ」と言われた。いいやつだ。

 

少しずつ、晴れ間が出てきた。

なのに、タイムアップ。

 

帰りの石垣空港ロビーのジェラート。

青い花びらのバタフライピーと真紅のドラゴンフルーツのコンビネーション。

いいではないか!

じゃ、また。