●カヌー&キャンプ/天塩川
- 2024.12.27
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9月下旬、東京はまだ灼熱地獄の頃、さすがに道北を流れる大河・天塩川は、天は高く乾いた秋の大気に包まれていた。
カヌーガイドさんのアテンドで、釣り仲間とカヌー&フィッシング・キャンプを楽しんだ。
カナディアンカヌーに2泊3日分の衣食住を積み込んで、とうとうと流れゆく大河に身を委ねる。
過行く岸辺では、キタキツネが日向ぼっこをしながら大あくびをしている。
子ギツネが、鮭のホッチャレを見つけた。自分の体よりも大きな獲物をくわえ、意気揚々と、よいしょ、よいしょと引きずりながらうれしそうに河畔林に消えていった。
釣りポイントに上陸すると、産卵を終えたサクラマスが、よたよたと岸際に浮いていた。
よく見ると、大きなヒグマの足跡が近くにある。
ここは、ヒグマの漁場に違いない。
そそくさと移動し、気配のなさそうなところで、竿を振った。
小さなニジマスが相手をしてくれた。
テントを張り、焚火をする。クマ対策として、火は一晩中、絶やせない。
流木を集めた焚火が威勢よく燃える。
何年振りだろう、みんな火を見ながら黙す。
パチパチとはぜる音だけが、晴れ渡った夜空に抜けていく。
その満天の星の中を、人工衛星が次から次へと静かに渡っていく。
昔と比べると、ずいぶん増えたような気がした。
朝、くすぶっている焚火の傍で、赤ワインを一杯いただく。
また、来よう。